第13回 鈴木操子さん「コミュニケーションをとろうとする気持ちがあれば楽しめます」 | アクティブミドルクラブ101

第13回 鈴木操子さん「コミュニケーションをとろうとする気持ちがあれば楽しめます」

第13回 鈴木操子さん素敵なシニアインタビュー

2015年10月出発のミドルエイジホームステイを体験された鈴木操子さんのインタビューです。

1.逃げられない状況に追い込まれないとダメだと思った

このプログラムの参加が初の海外だったそうですが、海外旅行ではなく、あえて英語研修とホームステイというプログラムに申し込んだのはどうしてですか。

英語は昔からすごく苦手でしたが、基本的には「英語なんて話せなくてもいい」と思っていて、勉強する気は全くないまま生きてきました。でもここにきて、仕事で困ることが出てきました。学童保育クラブの職員をしていたのですが、最近は学童保育にも1名2名、ハーフの子がいます。その保護者の中には日本語があまり話せない方もいらっしゃるのですが、わたしは英語ができないので、外国籍の保護者の方がいらっしゃったら、「ハロー」も言わずにその場から逃げてしまっていました。
あるとき、そのハーフの子どもとの間でトラブルがあり、上の人から「子どもは納得していても、親からクレームがきたらどうするの?」と言われてはっとしました。日本語を話せない保護者からのクレームが直接わたしにきたら、そこで逃げるわけにもいかないと思うと、何も言えなかったです。そのときに、わたしは外国の方に慣れないといけないと思いました。

わたしは性格上、逃げられない状況に追い込まれないとだめなので、このプログラムを見つけたときに、「これなら逃げられない」と思いました。普通の海外旅行だと、添乗員さんがいたり、一緒に行くお友達がいたり、わたしが英語を話せなくても問題なく過ごせてしまう。英会話学校に通っても、「嫌になったらすぐやめればいいや」と思ってしまう。でも、このホームステイプログラムなら、3週間経つ前に、もう嫌だから帰りますと言って自分で手続きして帰ることもできないので、最後まで逃げずに向き合えると思いました。

追い込まないとダメだとは思ってはいても、躊躇することはなかったのでしょうか。

もちろんありました。でも、たまたま見つけたこのプログラムがニュージーランドだったのがよかったのです。実は7年ほど前に、娘が大学のプログラムで3週間ニュージーランドのクライストチャーチに行っていたことがありました。それまで娘は外国に全く興味がなくて、「若いのにそれでいいのかな、わたしとは時代が違うのにな」と思っていたのですが、帰ってきたら随分変わりました。娘自身も「海外に行って、わたしちょっと変わったかも」と言っていたくらいです。今では自分でお金を貯めて、旅行といえば海外に行っています。しかも「ちょっと行ってくるわ」と気軽に出かけていきます。ニュージーランドに行く前の娘からは考えられないので、人間変わるんだって思いましたね。

娘さんはお母様がニュージーランドのプログラムを見つけてきたとき、何かおっしゃっていましたか?

「英語なんてできなくても、ジェスチャーで何でも通じるから平気だよ」「楽しもうという気さえあれば大丈夫」と言われました。わたしの英語力のなさは家族が一番知っているのですが、娘は「お母さんが本当に伝えたいことはなんとか伝わるし、まずは行ってみないとわからないよ」と言ってくれました。それを聞いて、「そうか」と思いました。

ご主人は3週間家をあけることに反対されませんでしたか。

家を空けることへの反対は特になかったです。説明会に行った後に、「よかったよ」という話をすると、「じゃあ行けばいいよ」と軽く言われたくらいです。ただ、その時はまさか本当に申し込むとは思っていなかったのかもしれません。申込をして、手続きが進んでいく途中で「ほんとに行くんだ」って言われましたから。わたしは仕事を3週間休むタイプではないということも知っていたので、3週間休むくらいなら仕事を辞めてから行くだろうけど、そこまでやるかな、と思っていたのだと思います。

結局、3週間このプログラムに参加するために仕事辞めるという決断をされたのですね。

人手不足なので職場は困ったとは思いますけど、わたしは正規の職員ではなかったので、辞めること自体には問題なかったです。同僚も、年配の方は「やれるときに挑戦したほうがいいよ。そのうちに介護が始まっちゃったりするかもしれないし、仕事なんていつでもまた出来るんだから」と背中を押してくれました。もう一人の同僚は「語学研修って言うけど、3週間で英語なんて覚えられるわけないからどうかな」みたいな感じでしたが、わたし自身は3週間で英語ができるようになるなんて思っていなかったのでそれは気になりませんでした。まずは慣れるところからスタートだし、慣れるだけならできるんじゃないかと思っていたのです。

第13回 鈴木操子さんインタビュー
「コミュニケーションをとろうとする気持ちがあれば楽しめます」