特別寄稿 ニュージーランドにおける英語の研修 岡田東一さん

「転」英語ライフを楽しむ

『ミドルエイジからののホームステイ&英語研修』という新聞広告を妻が見つけたのは2015年のある日のことでした。海外での英語研修は初めての体験でもあり、不安もありましたが、思い切って二人で飛び込むことにしました。

参加したのは1月の3週間コースでした。関西国際空港から直行便でオークランド空港へ。ここでお迎えのシャトルバスの運転手に会い、ハミルトンのホストファミリーのお宅まで3時間余。

ホストファミリーはPLATT家でご主人はKen(75歳)、奥様はHeather(70歳)のお二人で温かく迎えて頂きました。

早速これから一か月を過ごす個室に案内され、日常品を収納するタンス、引き出し、などを教えてもらい、持ち込んだPCのWiFi接続もKenの助言に従って無事完了。そして夕食、懇談後シャワーを済ませてベッドへ。ニュージーランドにおける初日はこのように終わりました。

さて、翌日最初の月曜日は、バスで大学に向かい、9時に大学のレセプションルームに集合しました。ここで学生登録をして、学生証を受け取ります。その後新入りの学生は学則や生活上の注意などのオリエンテーションを受けたのち、私達約20名はプレースメントテストを受けました。全員がコンピューターの前に座り、最初はリーディングテスト。四択で30問を回答します。次は苦手なリスニングテストが15問。都合120分のテストでした。

私はこの手の試験に不慣れなため、まごまごして出遅れ、特にPCがリスニングテストに切り替わった時点でイヤホーンから何も聞こえて来ないのでまごつきました。思い切って、手を挙げて監督の先生にやっと声が出るように調節をしていただきました。ともかくこのテストの結果に基づいてレベルの違うクラスに振り分けられます。最初の年は(実は私達二人は四年連続してこの研修に参加したのです)二人共General English コースに振り分けられました。

クラスの人数は8から16人位、中国人、韓国人、オマーン人、南アメリカ人(ブラジル、チリ、アルゼンチン等々)、インド人、サウジアラビア人、日本人などの多国籍編成でした。先生は40代から50代、学生は孫と同じ年頃の20才前後、この中に私達中高年者4~5名が混じって授業が行なわれました。学生の授業中の態度は国によってかなり違いがありますので一概に言えませんが、サウジアラビアの学生は、社交的でクラスの雰囲気を明るくします。中国からの学生は玉石混淆という感じでした。妻は英検一級の資格を持つ実力を認められ、二年目からは私より上のクラスで学習しました。

授業の進め方は殆どの場面で学生に自発的に、積極的に発言しなければならないような形で進められると共に、小クイズも多く、午前中の3時間半、午後の2時間半はいつもあっという間に過ぎてゆきました。教科書はケンブリッジ大学の編集になるもので、内容は世界各国の生活習慣など変化に富んだ話題を取り上げており内容は興味深いものでした。教室の正面はもはや一時代前の黒板ではなく、ボード自体がタッチパネル式のコンピューター画面になっているので字を書くのも消すのもワンタッチ、画像や動画や映画、アニメを画面に出すのもワンタッチと実に効率的です。・・・が、ノートにメモをとるという昔流の我々中・高年者にはそのスピードになかなかついて行けないという場面がよくありました。

一番苦手だったことは国によって異なる習慣や社会システムが話題になった場面など『あなたの国ではどうですか?』という質問がいきなり飛んでくることでした。この時ほど自分が愛する自国、日本のことについて余りにも知らなさすぎるという専門バカを実感させられたことはありません。例えば宗教、政治・行政システム、科学技術システム、医療・保険システム、交通システム、社会全般の生活様式、特にそれらに関する統計的数値が出てきた時は若い人達は知らなくても中高年なら当然知っているべき常識の事柄に即答できず、冷や汗、油汗の場面が多々ありました。この期に及んで自分の常識の乏しさを反省する機会となりました。それでもたった3週間のクラスでしたが先生のお計らいで、最後の1時間をお別れパーティとして別れを惜しんで頂いたことは感激でした。特に何でもいいから歌を歌うように言われたので、『荒城の月』の詩の二番を適当に翻訳してイラストつきのハンドアウトを作ってみんなに配り、大声で歌ったら好評でした。

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